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宇検村立田検中学校

奄美大島の最高峰で,世界自然遺産に登録されている湯湾岳(694m)の山すそ,波静かな焼内湾の湾奥に位置する宇検村立の中学校です。(R6年 生徒数19人,学級数3,校訓:強く・正しく・美わしく)

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2016年3月21日 (月)

オオトラツグミのさえずり調査に参加しました!  

昨日,時間は午前4時20分。宇検村陸上競技場近くのとある場所です。まだあたりは真っ暗なあさの時間帯に何人か集まっています。

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けさは奄美野鳥の会が主催するオオトラツグミのさえずり調査が奄美中央林道で島内一斉に行われました。宇検村側からは赤土山班の調査員が10数名,集まって開始前の打ち合わせを行いました。(3月上旬に実施説明会が「元気の出る館」でありましたよ)

オオトラツグミはトラツグミのなかまで,奄美大島の森だけに住んでいる固有種です。一時期絶滅の心配もありました。春先の早朝に特徴的な美しい声でさえずります。人によって聞こえ方は様々ですが,「キョロリンチィ・・」などと聞こえるそうです。

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分担した場所まで,車で移動します。宇検村側からは途中までには林道は舗装がされていましたが,その先は砂利道で,くぼみが多く,四駆の車でないと難しい場所でした。2名組でペアになって,分担した場所から歩きながら,鳴き声をたよりに調査を行います。

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午前5時30分。車を降りて林道を歩き始めました。あたりはまだ真っ暗です。懐中電灯やヘッドライトをたよりに,耳をすませながら,一定のペースで歩きます。

カエルやコノハズク,アオバスクなどのフクロウのなかまの声は時折していましたが,この時間はまだオオトラツグミの鳴き声は聞こえません。

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500mごとに事前につけられた表示を確認しながら,オオトラツグミの鳴き声を聞き取ります。鳴き声が聞こえたら,地図とコンパスをたよりに方角と遠近などの位置関係や気づいたことを記録をとります。

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まわりがだいぶ明るくなりました。オオトラツグミの声も各地点で聞こえてきました。調査のペアになった方はベテランの方で,田検や芦検の人里近い山でも朝方,聞こえるとのことでしたよ。

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歩き始めて,約30分。2kmほど歩いた地点で折り返し,帰りについても鳴き声の記録を取ります。だいぶあたりが明るくなってきました。

急に,アマミヤマシギが飛び立って,びっくりすることもありました。(彼らも朝早くからさぞびっくりしたことでしょうね。)

あわせて,オーストンアオゲラの鳴き声やドラミング(木をつつく音)についても調査します。この音で自分のなわばりを知らせたり,カップルの仲間を呼び寄せたりしているそうです。

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リュウキュウシロスミレを見つけました。 (すみません。ピントがずれてしまいました)。明るくなるにつれてまわりの植生やアカヒゲの高いきれいな鳴き声も聞こえだしましたよ。

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到着したときは,まわりは真っ暗でよくわかりませんでしたが,きょうの調査のスタート地点です。午前6時30分。徒歩で約1時間かけて出発地点まで戻ってきました。

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帰りの車中から見る日の出です。きょうはいいお天気になりそうです。

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集合場所の宇検村運動公園にもどり,きょうの調査の集約を行います。各班のデータを整理し,もとに同じ個体かどうか,推測します。

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各班が調査した結果やデータをつきあわせた結果,鳴き声から少なくてもおおよそ10匹ほどのオオトラツグミがいたようです。ことしの全体的な調査結果は,のちほど集約されるそうです。

動物の観察は一定の場所にとどまらず難しさがありますが,鳴き声の情報などからいろいろなことを推察することもできるのですね。勉強になりました。 

きょうは貴重な体験ができました。また,先頭を走る車に便乗させてもらったので,幸運にもアマミノクロウサギを1頭,確認できました。(いきなりの登場で,撮影は難しかったです。)

このオオトラツグミの一斉調査は20年以上も続いています。説明会を受けて,一般の方の参加も可能です。世界自然遺産をめざす琉球・奄美。まずは,ここにすむ多くの人がこの地域の自然の特徴を理解していけたらと思います。