田城の自然~植物の知恵①
田検中図書室裏のアカギの大木の近くに,こんな植物があります。みなさん,気づいていましたか?
大きな肉厚の葉を持っていて,一見なんのかわりもないような植物のようですが,よ~く見てみると・・・・・
さらに葉の縁(ふち)をズームアップ!
なんと,この葉の縁から,葉っぱ(新芽)が出ています。この植物はセイロンベンケイソウ(ベンケイソウ科)といい,この葉の縁にできた芽が地面に落ちて,新しい個体として成長します。
試しにこの葉の縁についた芽を別のさらに移して,しばらく観察してみました。
新しく芽生えたベンケイソウはしっかり大きくなっています。植物の中には,有性生殖だけでなく受精を行わずに子孫を残すグループもあり,これらのなかまのふやし方を無性生殖とよんでいます。
田城農園で種イモからたくさんのジャガイモが収穫できたり,水中のミカヅキモやミドリムシなどの単細胞生物がからだを分裂させてなかまをふやしたりするのも基本的にはこれと同じです。
植物がなかまを殖やし,子孫を残していくために長い年月に身に付けた植物の知恵の一例なんですね。身近な植物の知恵を学んだひとときでした。