太古の奄美に思いをはせる
きのうは奄美市立奄美博物館で鹿児島大学総合研究博物館主催の市民講座がありましたので,聴講してきました。
鹿児島大学総合研究博物館の鹿野先生と兵庫県立人と自然の博物館の池田先生が来島され,「琉球列島のヘビ類の起源」をテーマに講演がありましたよ。
琉球列島では200万年前以降の地層(琉球石灰岩・トラバーチン)からリュウキュウジカやネズミ,ウサギなど多くの脊椎動物化石とともにいろいろなヘビ類化石が産出されているそうです。 ヘビ類の化石から,現生種に比べて体が大きい傾向があることなど興味深い報告がありました。
沖縄本島で150万年前の地層から発見された琉球列島最古のハブ属の化石や徳之島で発見された約2万年前のアマミノクロウサギの歯の化石も公開展示されています。
多様な生物が現存し,固有種や希少種も多く見られる「奄美・琉球」地域。それらを考えるときに根底にあるものは,現在の地形になるまでに,過去,アジア大陸と陸続きになったり,海底になったりした琉球列島のなりたち(地史)です。
きょうの講演を聞いたり,化石を見たりしながら,太古の奄美に思いをはせることでした。現在,世界自然遺産登録を目指す「奄美・琉球」地域。せっかくの機会なので,是非,自分の目で実物を見てみませんか?実物から学ぶことも多いかと思います。
この公開展示は9月25日まで奄美市立奄美博物館で開催されています。