田城の自然~小さなケンムン?出現
赤土山から宇検村への入口,石良集落の新小勝(あらんがち)トンネル近くに大きなガジュマルの木があります。
写真のようにガジュマル(クワ科)は枝や幹から多数の気根を垂らします。はじめは他の木に着生し,次第に気根で着生した木をおおって枯らして独立します。昔から奄美の妖怪ケンムンがすみ,ときおり現れるともいわれています。
このガジュマルには,さらにサクララン(ガガイモ科)のつるがまきつき,太い柄の先に紡錘形をした多数の袋果をもっています。夏に向けて,もうしばらくすると,白くかわいい花を見せてくれることでしょう。
最近,このガジュマルの木とすぐ近くにある湧水地(イジュンゴ)に立派なケンムン銅像と看板が設置され,訪れた人々をケンムン伝説の世界にいざなってくれます。
ここの湧水は,奄美の湯湾岳にふり注いだ雨水が長い年月に地中にしみこみ,再び湧き出てきたものです。自然界のスケールの大きさを感じます。この湧水地をのぞいてみると・・・・・・・
うむ・・・・小さなケンムン?出現・・・・。と思いきや・・・・・・両生類のシリケンイモリ(イモリ科)がお食事中でした。おなかがオレンジ色で,しっぽの先が剣のように見えることからこの名がついています。
この近くには「アランガチの滝」もあります。先日降った雨で水量が増え,水が表層を流れ下ります。宇検村においでの際は是非こちらにもお立ち寄りください。
奄美の最高峰・湯湾岳にふり注いだ雨が水の循環によってこれらの奄美独特の豊かな自然を作り出し,いろいろな生命の源になっているかとと思うとなんだか不思議で,神秘的なことですね。まずは奄美にすむ私たちが少しでも奄美の自然を理解して,世界に奄美を情報発信していけるようになれたらと思います。