きょうの土曜授業3校時の理科室です。理科の授業で,3年生が何か活動していますよ。
生徒たちはキノボリトカゲの糞を実体顕微鏡で観察をしているところでした。拡大してよく見てみると,エサとして与えたバッタの足のような跡や白く結晶化したものが糞のなかに残ってましたよ。
さて,きょうは,奄美大島でネコの調査をされている奄美野生動物研究所研究員の塩野﨑さんに御協力いただき,今,奄美大島で問題になっているノネコが山中で何を食べているのか,収集されたノネコの糞を使って残留物の分析を行いました。
まずは各自で何を食べているか予想を行いました。生徒からは,木の実やカエル,ネズミ,昆虫,野鳥など意見がでました。中にはアマミノクロウサギという意見も出ましたよ。
糞の分析方法について説明を聞いたあと,グループごとにふるいを使ってさっそく実験に取りかかり,室外で糞を水洗いします。
きれいに水洗いして,ふるいに残ったものを同じような種類のものに室内で分類し,同定を行います。
水洗いした糞の残留物では,動物の毛のようなものから,骨や歯のような硬いものが見られましたよ。
グループごとにピンセットを使って,同じような種類ごとに仕分けして分類していきます。はじめは尻込みしていた生徒も,積極的に分類しているようですよ。
はく製を使いながら塩野﨑さんに生徒が分類したものを詳しく解説してもらいます。こんなものが出てきましたよ。きょう出てきたものをいくつか紹介しますね。
塩野﨑さんによると,ケナガネズミの毛やトゲネズミのトゲ状の毛先の部分,そして,骨や歯(犬歯,臼歯など)が含まれているとのことでした。ケナガネズミやトゲネズミは国の天然記念物に指定されている希少な動物たちです。
これらのものは消化されずに,糞(排泄物)として出てきたものなのです。まだまだ,興味深い,いろいろなものが入っていそうです。きょうの経験をもとに,また後日,さらに同定してみたいと思います。
世界自然遺産登録を目指す「奄美・琉球」。きょうは,奄美に住んでいる私たちがより具体的に自分の手や目で,実験をとおして,豊かな奄美の自然や問題点を実感する貴重な機会となりました。
指導をしてくださった塩野﨑さん,御指導ありがとうございました。最後に・・・・きょうの生徒たちの感想をいくつか紹介しますね。
☆ふんの分析をして,出てきたものを見て思ったことは,「これが(食べる・食べられるという)自然界での出来事なんだ」ということです。実際に自分でやってみて,奄美の自然を調べるいい経験になりました。(3年男子)
☆今回の授業では,ノネコのふんについて調べていろいろなものが出てきました。まずはふんを水洗いするということを初めてやりました。ふんの中には,ケナガネズミやトゲネズミなどの動物の毛や骨,歯などが出てきてとても驚き,おもしろいなと思いました。ふんをしらべることでいろいろなことがわかるんだと感心しました。(3年女子)